マッチ売りの少女に見る完璧な救済
小さい時、一番お気に入りだった絵本はなんですか？
みんな小さいころ絵本を読んでもらったでしょ？
たくさんある中でどのお話が心に刺さりましたか？？
私のお家にもたくさん絵本があったんだけど
何回も読んでって頼んだり自分でずーっと眺めてた
のはマッチ売りの少女だけだったんです。
シンデレラ、人魚姫、かぐや姫いろいろあるでしょ？
例えばシンデレラは城の王子様に見初められて
結婚して幸せになりましたとさ！
ってなるけど、意地悪な継母もお姉さんたちの存在も
何も解決してないんです。
彼女の抱える問題はそのままで、ただ玉の輿に乗れただけの
ストーリーに何の魅力もないんです。
かぐや姫にいたっては男を振り回すだけ振り回して
月に帰るっていう意味不明な物語です。
完璧な物語が一つだけあった
大概の作品が不完全というか
もやもやが残る仕様にわざとしてあるのかな？
と思ってた中ひとつだけ完璧な結末を迎える物語があって
それがマッチ売りの少女だったんです。
内容はみんな知ってると思うけど
大晦日の夜にDV父親にマッチを売って来いって
お家を追い出されたけどまったく売れない。
あまりの寒さに売り物のマッチを擦って
火をつけては幻想を見て
最後は死んだおばあちゃんが
迎えに来てくれて天に召されるストーリー。
これ完璧じゃないか！と子供ながらに思ったんです。
この話だけは美しく救いがあると。
でも子供だったのでなぜこの話にだけ
本当の救いを見出すことが
できるのかわかってなかったんです。
ずいぶん長い間わからなかったけど
すべてを失って
引きこもった時にわかったんです。
死こそが完璧な救済
もし道行く人がマッチを買ってあげたら
彼女は死なずにすんだのか？
多分、大晦日は生き延びることができても
その後やっぱり死ぬと思うんです。
彼女が強くなる以外、
一時的な第三者の救済なんてマッチで見る
幻想と同じなんです。
でも、子供である彼女があの過酷な環境を
生き延びるだけの強さをすぐに手に入れることは
なかなか難しいですよね。
だから死んでくれた時ホッとしたんです。
もう彼女は傷つかないし苦しまない。
こんな書き方したら自殺志願者なの？？
って思われそうですがそうじゃないんです。
まぁ、自殺を否定しませんけど
わざわざ自分から恐怖と苦痛の中に
飛び込んで死に向かわなくても
指咥えて待ってるだけでもいつか必ず
死という救済が向こうから
やってきてくれるんですよね。
救済が来るその日までどう過ごすのか
マッチ売りの少女はマッチの火で幻想を見て過ごしたでしょ？
私もそんな感じです。
何かを築いては壊し、手に入れては失う。
私が救済される日が来るまで
きっとこれを繰り返すんだと思うんです。
本当はすごくつらいししんどいことだし
そうじゃない生き方があればそうしたけど
こうしないと現世を生きてる感覚を
つかめないんだと思うんです。
ただ、このままだとメンヘラになってしまうので
その中で執着を捨てたり自分の可能性を自分で見出したり
そういう気づきをちょっとずつ繰り返せば
もしかしたら悟りを開けるかもしれないです。
そしたら誰かにとっての
現世での救済者になれるのかもって思うんです。
そのためにはこの世はちょろいなと
実感することが必要な気がするんです。
だから一回転してすべてを手に入れようとしてるんです。
死こそ救いなんていったら
めちゃくちゃ病んでると思うでしょ？
でも逆なんです。
救済が来るその日まで私はすべてを手に入れて
誰かを救ってみたいんです。
それがその日が来るまで
私がする現世での暇つぶしなんです。
そう思ったら今が幸せでも辛くても
必ず救いは来てくれるので
いろんなことがそんなに怖くないと
思いませんか？
私はまだまだ怖いと思っちゃうけど
本当は何も怖くないし
生きてるだけで完璧なんだと思うんです。
